怪盗の理想と現実

渡辺ヤスヒロ



以前にも美術館から有名な画家の作品が盗まれた事はあった。こんなことは物語の中だけ、それも近代等、又は現代ではなく少し前の時代までが舞台ということが多い。ハイテクな警戒が厳重となり、その方法も作家が通常の手段で盗みを働いたりできる程単純なものではなくなってきているからだろう。とも思ったのだが。
どちらかと言うと盗まれる原因はヒューマンエラー(鍵の掛け忘れのような人為的ミス)や、内部工作、力技(重機でCD機を持っていく)、と言った様な単純かつ強引なものが現実だ。これでは幾多の警戒を抜けた芸術的犯罪とは言い難い。

そんな昨今、あるニュースを見ることが出来た。

強盗計画発覚でダイヤモンド展を中止 英自然史博物館
http://www.cnn.co.jp/fringe/CNN200511250015.html
展覧会には、203カラットのペアシェープ・ダイヤモンド「デビアス・ミレニアム・スター」や、世界最大のピンク・ダイヤモンド「スタインメッツ・ピンク」、世界最大の天然ブルー・グリーン・ダイヤモンド「オーシャン・ドリーム」、世界で3番目に大きい407.48の「インコンパラブル」が展示されていた。

この中でも「ミレニアム・スター」は、ロンドン郊外の総合文化娯楽施設ミレニアムドームで2000年に展示された際に、9人組のグループが強奪を企てたが、事前に察知した警察に犯行を阻まれ、難を逃れている。

幸い盗まれることは無かったわけだが、残念なことに来年2月までの展示会自体が中止されてしまった。
 そんなのありか?と言う気もしないわけではないがある意味大した発想力であるとも言えよう。今までの怪盗物に無かった解決方法である。(と言うか自宅や保存されている博物館自体がターゲットになることもあるんだが。)


それにしてももったいない話だと思う。
理想としてはこんな形だろう。

カードが届く。
「今夜12時ミレニアムスターを頂戴致します。○○」しゅたっ
警部、大丈夫でしょうか?なあに、いくら○○とは言えこれだけ厳重な警備の中に忍び込んで盗むことなど無理ですよ。はっはっは。
もうすぐ12時ですね…。カシャ。あっ停電!すぐ非常電源に切り替わりますから。ぱっ!ほらね。ああっ、宝石が無いっ!!!!

展示会自体が中止されてしまってはなあ・・・。
ミレニアムスターって、安直なネーミングだなあ。
9人組のグループって誰だろう。
ルパン一味は大抵3〜4人だし、キャッツアイは3人娘だし、アリババは30人付いてるし、オーシャンズは11か12人だし、完全メイド宣言は9人だが怪盗じゃないし、そもそも怪盗って基本一人だなあ。そう言えば木更津キャ…(以下略)





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