ギャンブル必勝法!

似非




 一口にギャンブルといっても多種多様なものがある。西暦2001年現在の日本で合法とされているものだけでも競馬・競輪・競艇・オートレース・パチンコ・パチスロ・麻雀(認可済雀荘でのみ)・カジノ(公営のみ)などがある。(プロ野球&大相撲トトカルチョは例外として除外……まあ胴元が5割もしくはそれ以上もってくという時点で既にギャンブルとは言えないだろうが……)
 本論は応用すれば上記のいくつかのギャンブルで通用するであろう『必勝法』ではあるがそれはあくまでも各自の責任で行ってもらいたい。尚、本理論を使用してのいかなる損害も筆者は責任を負わないこととする。―――と片隅に明記するのはお約束というものだ。もちろん杞憂にすぎないのは言うまでもない。
 必勝法!―――などと大言壮語し、ギャンブルを嗜む紳士淑女を巧妙に陥れる書籍のなんと多いことか……。それらの書籍は一見すると理論的に正しい解説に見えても単なるこじつけだったり作者の思い込みだったりするものがほとんどだ。過去の戦績などから統計と言うには少なすぎるデータをとって持論の根拠にしたり、ヒドいのになると結果がでてるものを適当にいくつか引っ張ってきて無理矢理共通項をあげつらって論拠にするのである。そして数多く存在する例外はえてして無視されたまま理論(?)が展開されてゆく。
 筆者も少々ギャンブルを嗜む身であるのでこのテの書籍には少なからず目を通しているのだが、現在までにコレといった恩恵にあずかってはいない。だが長年の研究の結果、条件付ながら理論的に正しいと言える『必勝法』を見つけ出すことができた。以下の本文では現日本国の法に抵触しない範疇で具体例をまじえてそれを解説してゆく。


●賭ける度に常に賭け金を倍にすればいつかは勝てる

 いわゆる倍々法というやつだ。この文句は大抵の人がご存知のことと思う。そしてこれが机上の空論であることも無論であろう。そもそも、用意できる賭け金の限界という至極当然の問題があるからだ。現実には資金を無限に用意することなど不可能なのだから、前提条件の時点ですでに破綻しているのは明らかである。
 だが、そうは言ってもこの文句が常套句足りえているのには理由がある。なにしろ理論的には正しいのだ。子供でも正しいとわかる単純明快な稀有な理論なのである。もちろん机上の空論のままでは意味がないので実用に耐えるように推敲していく。まずは前提条件の確認から

1)当たったら賭け金を初回額に戻す
 今更言うことでもないだろうが、仮に用意できる資金が無限であるならそもそもギャンブルなぞしないだろう。有限なのだから当たった時点で賭け金をリセットしないと……
2)払戻金 = 賭け金 × n  (n>2)
 常に掛け金を倍にするので、払戻金は少なくとも元手である掛け金の2倍より大きくならないと儲けはでない。

■例えば1円から始めて4回負けて5回目の掛け金は、
1→2→4→8→ 16円
■その5回目に勝ったとすると、儲けを出すには掛け金の総額より払戻金が多くなければならないので
払戻金 = 16 × n >(1+2+4+8+16)
n>1.9375 となる。
■実際は負け続けた回数により、儲けを1円でもだすためのnの値は限りなく2に近づいていく。
(10回ならn>1.998046875  15回ならn>1.99993896484375 )
■尚、n=2 の場合は必ず初回賭け金と同額の儲けがでる(n>2ならそれ以上)

さて、上記の前提条件に加えて実用化する場合にはさらに限定条件がある。

3)当たる確率が高い(5割に近いかそれ以上が理想)

 わかり易い例としてはカジノにおけるルーレットがある。ルーレットで倍率が2倍(n=2)の赤黒の的中率は 18/38 =0.473684210526316 (赤でも黒でもない《0・00》がある為)となる。約50%、大幅に少なく見積もっても4割の確率で当たることになる。単純に考えても最低3回もやればそのうち一回は当たる割合なのである。この場合、 n=2 であるから当たった時点で初期投資額と同額のもうけがでる。もちろん、運がよければ最初の一回目で当たることもある。
 このように、 1)〜3)の条件を満たすような丁半博打や、ルーレットの赤黒ならばこの倍々法は実用に耐えると言えなくもない。

 さて、「言えなくもない」などという表現には理由がある。カジノはまだまだ一般的とは言えないし、 n=2 では儲けは絶対に初期投資額だけになってしまう。儲けを増やそうとして初期投資額を大きくしてしまうと、当たる前に資金が頭打ちになりかねないのである。ではどうすればいいのかというと答えは簡単、nの値が可能な限り2より大きく、当たる確率も5割以上のものに用いればいい。
 そんなことが実際に可能か? あるいはそんな都合のいいギャンブルなんてあるわけない、と思われるかもしれない。だが方法がないでもないのだ。競馬を例として挙げるなら、オッズ(=n)はよっぼどのことがない限り1番人気でも2倍を切ることはないし、さすがに熟練の予想屋達が予想しているだけあって1番人気がそのまま1着でゴールする確率註1も5割を軽く超えているのである。
 つまりは、倍々法を競馬で実践するにはオッズが2倍以上の1番人気の単勝を買い続ければよいのである。
 さらに、実戦においてはカテゴリーを絞り込むことで勝率を上げることができる。例えば過去のデータと併せ、馬券を買う騎手を勝率で限定するのも有効である。それは「この騎手が一番人気の馬に乗った時の勝率が高い」という限定された条件に合致する場合のみに倍々法で馬券を購入する、ということである。また、収集したデータに十分な量があり、その分析結果に信頼がおけるならギャンブル要素が少々高くはなるが、2番人気、3番人気でも実践可能である。この場合、オッズはいわずと高くなるので当たった場合の儲けは大きい。

 ちなみに筆者が最近研究しているのはワイド馬券(3着までに入る2頭の組み合わせを当てる買い方)で2番人気と3番人気の馬券を買うというもので、オッズに多少なりとも期待がもてるのが特長である。だがワイド馬券の制度が始まって歴史が浅く、信頼するに足る統計的データがまだないのが現状であるから、今後も筆者自身が実践して検証を進める所存である。(現在までの戦績はというと……続けているとだけ言えばわかってもらえるだろう)

参考文献:『超馬券論』小川純生著 KKベストセラーズ

ギャンブルに最終的に勝つのは常に金を持っている方である

註1 JRAの過去10年間のデータを参照のこと。気になる人は自分でみてみよう http://www.jra.go.jp/


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