神の左手 悪魔の右手

高橋英明



 時事ネタで恐縮であるが、自分のコレクションの陶片を埋めて、自ら掘り起こしていた考古学関係者が今や(悪い意味で)時の人である。
 だがしかし、年代の特定が左様にずさんな物であったとは意外である。出土した層で年代を決めていたとは、なさけない。
 埋設物探査において、東京工業大学が磁気異常測定を用いて協力されたことが在るらしい。
その際、見事に異常箇所から王冠が出土したという。ただし、王冠は出土時、ビニールに覆われていて、且つ、王冠にはキリンビールと書いてあったという話はあまりに有名である。
 つまり かのお方は、受動的であることが当たり前の考古学界に於いては珍しくクリエイティブな発想に基づき発掘したことが問題なのだが、その様な下心が無くても埋設は行われていたわけである。今も行われているだろう。
(だって、古墳に自分の宝も埋めたくなった子供の気持ちは分からなくもないし)

 と、ここまで書いて置いて何なのだが、折角 現代の考古学界が斯様な稚拙な論理的根拠しか当てに出来ていないのなら、机上理論的には未開の舞台が登場したような気もする。というのは、新たな発見が期待できるからである。たとえば、次のような物である。
(1)縄文時代の電気冷蔵庫
(2)世界最古の原子力潜水艦
(3)先カンブリア時代の10万円金貨(勿論 形状は昭和天皇即位60年記念)
特許申請が許可された懸案の該当物を発掘すれば、無効申請の材料にできるかも。
楽しみである。



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