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穂滝薫理
 
 
 
 われわれ日本人にとって、西洋人の顔というのはどうも見分けがつきにくい。映画などで、初めて見る俳優ばかりだと、ストーリーを追うことさえ困難なほどだ。もっとも、個人の判別はすぐにできるようになる。それよりもやっかいなのは、人種の判別である。例えば、道ばたで困っている西洋人を見かけて手助けしてあげたいと思ったとしても、英語で話しかけていいのかどうかわからない。もちろん、相手がドイツ人だったからといって、こちらがドイツ語をはなせないことにはなんにもならないが。しかも日本に来る/いる西洋人の多くは英語を話すから、うっかりイギリス人かアメリカ人かと思ってしまうと、とんでもない失敗を犯すことだって考えられる。また、同じアングロサクソン系で英語を話す人たちであっても、イギリス人とアメリカ人は違う。間違えると当然失礼にあたる。しかし、よく観察してみると、彼らにも違いがあることがわかってくる。例えば一般的にアメリカ人は陽気でおおらかだし、イギリス人は冷静沈着だ。同じ白人というワクにくくられ、同じ顔に見える西洋人も、肌の色や習慣など微妙に違っているものだ。
 そういった、民族学的、行動学的見地から、西洋人を各国ごとに見分けられることができるのではないか、というのが本論のテーマである。最終的には、向こうから歩いてきた西洋人を、一目見て何国人かわかるようなものになることをめざしている。
 
 さて、人々をなにがしかのグループに分けるためには、相当量のサンプリングと観察が必要である。そして私の長年の観察と研究の結果(もちろん友人達の協力もあった。感謝)、ある程度彼らをその出身国で見分けられるようになった。もちろん、これは統計学的にこういう傾向があるというだけで、すべての人がそういうワケではないということは言うまでもない。
 以下がその成果である。まだまだ完璧ではない。みなさんの情報をお待ちする次第である。
 
 
 ・Tシャツ半ズボンにサングラスをかけ、声がでかいのは、アメリカ人
 ・スーツ姿でステッキを持っていたら、イギリス人
 ・ビールを飲んで考え込んでいたら、ドイツ人
 ・ウォッカを飲んで、熊皮の帽子をかぶっていたら、ロシア人
 ・顔がひときわ白く、ワインを飲んで歌っていたら、フランス人
 ・顔が濃くて、機関銃をぶっぱなしていたら、イタリア人
 ・牛を殺すか、昼寝をしていたら、スペイン人
 ・エプロンをして、木のくつをはいていたら、オランダ人
 ・均整な顔立ちで、白いチュニックを着ていたら、ギリシア人
 ・ホルンを吹いて、フォークダンスを踊っていたら、スイス人
 ・黒服黒帽子に、ひげをはやしていたら、イスラエル人
 ・チョコとワッフルを食べていたら、ベルギー人
 ・ヨーグルトを食べてたら、ブルガリア人
 ・ウィンナーを食べていたら、オーストリア人
 ・スキーをしていたら、ノルウェー人
 ・分割されていたら、ポーランド人
 ・夜中に血を吸っていたら、ルーマニア人
 ・おなかに大きなポッケがあったら、オーストラリア人
 
 
 
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